関西地区では1月中旬、東海や関東では2月初旬に中学入試が終わりました。
そのため、2月から塾では新年度になっています。
学校では小5→塾では新小6
学校では小4→塾では新小5 ・・・といった具合ですね。
そうなると、入試というものがより近づいてきたように感じられるのではないでしょうか。
実際、塾でも合格判定(A~D)などを出す模試が増え、入試が現実味を増してきます。
今回は、この合格判定(A~D)について考えてみましょう。
たとえば浜学園では
A判定 80%以上
B判定 60%以上
C判定 40%以上
D判定 40%未満 と定義されています(塾や模試によって異なります)。
「うちの子はB判定だったから・・・
灘中の合格可能性は 60%なので、5回受けたら3回受かるってことね!悪くないわ。」
などと思っていませんか?それ、大間違いです。
まず大前提として、A判定の 80%とは、
たとえばA判定を取った生徒が 100 人灘中を受けたら、そのうち 80 人が受かるということです。
これは、A判定の上位もボトムもひっくるめた数値です。
でも、実際にはA判定のトップ層(公開模試の上位 10 人など)は、ほぼ 100%合格するわけです。
ギリギリでA判定を取ったというボトム層は、当然 80%より低い合格率になります。
したがって、「A判定を取ったからといって合格率が 80%あるとは限らない」ことになります。
次に、B判定の 60%とは、B判定をとった生徒が 100 人灘中を受けたら、
そのうち60人が受かるということ。・・・ではありません!
誤 B判定を取った生徒が 100 人灘中を受けたら・・・
正 B判定以上の生徒が 100 人灘中を受けたら・・・
なのです。ちょっとわかりにくいと思うので、具体的に見ていきましょう。
ある中学校の受験者が 1000 人で、合格者が 250 人とします。
A判定が 100 人、B判定が 150 人、C判定が 300 人、D判定が 450 人だったとすると、
各判定の実際の合格率はどうなるでしょうか。
①A判定 100 人について
合格者は 100×80%=80 人です。
→合格率はA判定 100 人中 80 人で 80% となります。そのままですね。
②B判定 150 人について
合格者はA判定とB判定を合わせた 250 人×60%=150 人です。
そのうち、A判定の合格者が 80 人いたので、B判定の合格者は 150-80=70 人となります。
→合格率はB判定 150 人中 70 人で約 47%となります。あれれ?
③C判定 300 人について
合格者はA判定とB判定とC判定を合わせた 550 人×40%=220 人です。
そのうち、A判定の合格者が 80 人、B判定の合格者が 70 人いたので、C判定の
合格者は220-80-70=70 人となります。
→合格率はC判定 300 人中 70 人で約 23%となります。うーん。
④D判定 450 人について
合格者は全部で 250 人でした。
そのうち、A判定~C判定の合格者が 220 人いたので、D判定の合格者は 250-220=30 人
となります。
→合格率はD判定 450 人中 30 人で約7%となります。
まとめると、この結果の場合の合格率は、
A判定・・・80%
B判定・・・47%
C判定・・・23%
D判定・・・7%
になってしまいました。
もちろんこれは仮の値なので、実際の結果とは異なりますが、
だいたいのイメージはつかんでもらえたかと思います。
現実は意外と厳しいものです。